死亡率も要介護になるリスクも高い心臓病
心臓病とは、心臓に起こる病気の総称で、日本人の死因の第2位を占めています。突然死を起こすことや、介護が必要となるリスクも高い病気です。心臓病は大きくいくつかの種類に分けられますが、よく知られているのが「虚血性心疾患」または「冠動脈疾患」と呼ばれる心臓病で、代表的なものが「狭心症」と「心筋梗塞」です。どちらも心筋(心臓の筋肉)に血液を送り、酸素と栄養を供給する血管に異常が起こり、心筋に必要な血液の供給が減ったり途絶えたりして発症します。
狭心症と心筋梗塞の原因
動脈硬化は血管の老化現象のため、加齢による進行は避けられません。加齢以外にも、高血圧、脂質異常、糖尿病、肥満などの生活習慣病がある人は、狭心症や心筋梗塞を発症しやすいため、注意が必要です。その他にも、喫煙やストレスなども原因になります。
狭心症の症状
狭心症の典型的な症状は「胸が締め付けられるように痛い」という胸痛です。ただし、必ずしもこのような胸痛が起こるとは限らず、「放散痛」と呼ばれる、腕、背中、みぞおち、のど、あご、奥歯など心臓から離れたところの痛みや、肩こり、胸やけとして現れることがあります。痛みは、いずれも数分から10分以内に治まります。繰り返すようでしたら早めに医師に相談しておきましょう。
心筋梗塞の症状
心筋梗塞も狭心症と同様に胸痛が典型的な症状ですが、痛みの程度が強く、吐き気や脂汗、呼吸困難などの症状を伴うことが多く、30分から1時間以上続きます。ただし、高齢者ではこのような典型的な症状が現れず、「はっきりした胸痛はないのですが、肩で息をしていて苦しそう」などの症状でも心筋梗塞を発症していることがあります。
狭心症・心筋梗塞の予防
狭心症や心筋梗塞を予防するには、規則正しくバランスのとれた食生活、運動、禁煙、適正体重の維持、血圧管理など、毎日の生活習慣を見直すことが大切です。また、すでに高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満などの生活習慣病をもっている人は、適切な治療を継続して受け、主治医の指示に従ってしっかりと管理します。