病気やケガで突然の入院がきっかけで介護が必要になることがあります。介護で慌てないためのポイントは、早めの対応です。入院中から退院後の生活をイメージして、医療ソーシャルワーカーや地域包括支援センターへ相談しておきましょう。ある程度の規模の病院では、「医療相談室」や「地域医療連携室」といった入院中の不安や悩みに対応する部門があります。もちろん、自分でも介護保険制度や介護サービスについての情報を収集する必要があります。
入院中に申請できる介護保険
介護保険を利用するためには、市区町村に要介護認定の申請をしなければなりません。申請を行うと認定調査員の訪問があり、介護の必要ありと認定されると介護保険サービスの利用ができるようになります。
要介護認定と並行してケアマネジャーを選ぶことになりますが、在宅介護においては、相性のいいケアマネジャーの選択がとても重要になります。利用者や家族に耳を傾け、お互いの意向をくんだケアプランを作成してくれる人を選ぶこと同時に、こちら側も積極的に関わることがよい介護につながります。
退院後はどうする?
急性期病院での症状が安定してくると、退院の話が出てきます。しかし、病気・ケガの後遺症や入院中の体力低下で、日常生活が困難となり在宅療養に不安がある、在宅復帰のためのリハビリテーションが必要、在宅療養のための準備ができていないなど、家庭での受け入れ体制が整っていない場合もあります。
その際、
①回復期リハビリテーション病院への入院
②地域包括ケア病棟への入院
③療養病床(医療型・介護型)を持つ医療機関への入院
④介護保険施設への入所
などの選択肢があります。
退院後に介護型の療養病床や介護保険施設の入所、在宅での介護サービスを希望する場合は、入院中に介護保険の要介護認定の申請をしておきましょう。申請のタイミングは入院期間を踏まえて、医師や看護師、医療ソーシャルワーカーに相談しましょう。在宅療養を選択する場合は、かかりつけ医との連携や介護サービスの利用について考えておくことも大切です。