「新しいことほど忘れる」…4

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今やったことを忘れるためにできなくなることで問題なのは、お金の管理と薬の管理です。お金の管理ができなくなると、買い物ができなくなります。でもまごまごしているとお店の人が財布を見て、必要なお金をとってくれることがあります。正常な相手がいるところでお金の管理ができなくなっても、その相手が解決してくれるので問題は少ないと思います。もちろん下心のある相手は問題ですが、そこまで心配しなくてもいいでしょう。

しかし、ひとりでやらなくてはならない薬の管理は難しい問題です。お年寄りはいくつもの病気を抱えていることが多いので、それに合わせて飲む薬の数も増えていることが多いと思います。そうなるとわけがわからなくなって、うまく飲めないことになってしまいます。認知症が進行すると1種類の薬を1回服用することも難しくなります。だからといって介護者がすべて管理するのは必ずしもいいとは言えません。

認知症が進行しても、本人は「自分はまだできる」と思っているので、プライドを傷つけることにもなります。薬の飲み忘れ・飲み間違いは、認知症の人の初期の段階に見られる混乱です。何種類もの薬を服用時刻ごとにセットして間違いなく飲むのは、認知症でない高齢者にとっても簡単なことではありません。介護者がさりげなくセットの手伝いができれば、それが自然なやり方ではないでしょうか。この場合は、一包化といって、たとえば朝に飲む薬をひとまとめにして袋に入れてもらうなどのことを、薬局でやってもらうのがいいでしよう。

医師の指示があれば、調剤薬局などで、服用日時と服用時刻を印刷して、一包化してくれます。ただし、一包化には若干の費用がかかりますので確認しておきましょう。でも、これですべてオーケーかというと、必ずしもそうではありません。たとえば、朝に袋に入った薬を飲んだとしても、それを忘れてしまい、またもう一度同じものをすぐに飲んでしまうことがあるからです。こういう場合は誰かがきちん飲むことを管理しないといけません。朝に飲む分テーブルに置いておくなどのやりかたで、余計に飲んでしまわないようにすることも一つの方法です。「服薬ボックス」あるいは「おくすりカレンダー」などを使うのもいいでしょう。

曜日や日付が分かる段階の人であれば、該当時刻の薬服用の有無が確認できるので有用です。市販品を購入するのもよいし、薬剤師や看護師などが自ら作って使うこともあります。ご本人と一緒に作りながらカレンダーの使い方の説明も同時にできます。1日1回の服用であれば、大きなカレンダーに薬を貼っておくだけでうまくいく可能性もあります。