認知症 「新しいことほど忘れる」…1

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認知症では新しい記憶ほど消えてしまいます。ですから、さっき食べたばかりの食事のことを忘れて、食事はまだか?ということになるのです。だれでも食事を摂ったばかりには、まだ脳の食欲中枢は完全に満腹状態にはなっていませんから、多少の空腹感は残っています。

認知症では、たった今のことを忘れますから、摂ったばかりの食事のことは覚えていません。そこで、少しおなかがすいた感じがあれば、まだ食事は食べていないということになるわけです。認知症が軽度から中等度のときによくみられる症状です。

これを理解していないと、つい「さっき食べたばかりじゃないの!」「今はまだご飯の時間じゃないよ!」と怒ってしまいます。また、近所の人にきかれると、まるで虐待しているように思われるので、家族もつい「人聞きの悪いこと言わないで!」怒ってしまいがちです。

認知症の人にとっては「おなかがすいたから食べたいと言っているだけなのに、どうして怒られるのか分からない」ということになります。ですから、これがくりかえされると、認知症の人のほうがイライラしてきます。すると問題行動に走ることになるのです。暴言を吐くことや暴力に及ぶことにもなります。さらには、「こんな仕打ちばかりをするところは家じゃない」と、家を出て行くことにもなりかねません。

そうなると大変です。行きつく先のない徘徊になってしまい、行方不明です。そうならないようにするには、うまく食事を出すことも大切です。それぞれ少しずつ何回にも分けて出すのがいいやり方ですね。そうすれば時間がかかり、そのうちに満腹中枢が満たされてきます。胃がいっぱいというだけでなく、食べ物を見て、味や匂いを感じることによって、満腹中枢が満たされるものですが、これらの記憶も失われると、実際お腹が空きやすいものです。

お腹が空いていると思われるときは、カロリーや塩分があまり含まれておらず、しっかり噛む感覚が持てる食べ物で空腹感を紛らわせるのもいいでしょう。間食が多くなりすぎて、食事が不規則になるのは好ましくありません。食べ過ぎが気になるときは、一食分の食事量をあらかじめ減らしておいて、残りをおにぎりなどにしておくのもいいでしょう。

また、寂しさを訴える代わりに食事を持ち出している場合もあるので、「今、支度していますからね。」と納得して安心できるような声掛けをしながら、ゆっくり話し相手になり話を聞いてあげることも大切です。