「認知症の中核症状」

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認知症は、さまざまな原因で起こる脳の機能障害です。それによって記憶や判断ができなくなり、正常な生活を送ることができなくなった状態です。主な症状のひとつに、直前に起きたことも忘れる記憶力低下があります。認知症で早くから見られる症状では、新しいことを覚えられなくなり、さっき聞いたこと、したことを記憶することが難しくなり、次第に覚えていたことも忘れるようになっていきます。筋道を立てた思考ができなくなるのが判断力の低下です。理解することに時間がかかるようになり、情報を処理する能力も低下して、一度に二つ以上のことを言われると理解することが難しくなります。

目に見えないものが理解しがたく、自動販売機や駅の自動改札機、銀行のATMなどを目にすると、どうすればいいのかわからなくなります。あいまいな表現も理解・判断しにくくなり、具体的な言い方が必要になります。計画的に物事を実行できなくなるのが、実行機能の低下です。物事を行うときに計画を立て、順序立てて効率よく行うことが難しくなります。例えば、食事の支度をするときには、材料を確認して献立を考え、足りないものを買い出しに行き、あるものと合わせて作るという一連の流れとして行います。実行機能が低下すると、買い物をしたけど何から始めたらいいのかがわからない、段取りができないということです。

いつ・どこかが分からなくなるのが見当識の低下です。道具の使い方が分からない、自分の身体の状態や自分と物の位置関係がわからないなどです。目の前のものが何であるか認識できなくなるのが失認、ボタンをはめられないなど運動機能の障害がないにもかかわらず行えないのがが失行、ものの名前がわからなくなる失語などの認知機能の低下、性格や行動の変化などがあり、これらは脳機能の低下そのものによる症状ですので、認知症の中核症状と言われます。

認知症になれば、だれにでも中核症状が表れます。認知機能の低下では、まず最初にものの形や自分のいる場所についての理解ができなくなります。これは簡単なテストで確認できます。さらに、現在の日時とか、今いる場所についての認識ができなくなり、よく知っている場所で迷うようになります。これによって時間の観念がなくなり、現在いる場所が分からなくなります。

つまり、これは徘徊の直接の原因になるものです。そして重要なのは、これらの症状がゆっくり進むことです。ですから、一緒に生活している家族には、変化していることが分かりません。また、本人の感情は正常な状態に保たれているので、ふつうに話をすることができ、家族にとってもまったく変りなく生活しているように見えます。これが認知症の早期発見を難しくしているのです。