認知症の初期は本人が最も不安

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認知症とは、記憶障害を伴う認知機能の障害によって、社会生活やひとりで生活することが困難になる病気です。アルツハイマー型認知症などの初期には、記憶障害が顕著に現れます。認知障害というのは、どんな具合だと思いますか?記憶がとぎれるわけですから、本人はとても不安になります。

体験したことのある人もいると思いますが、酒を飲んで酩酊状態になると、そのときの記憶が全くなくなります。それと同じ状態です。その間の記憶がすっぽり抜け落ちてしまうわけです。そのときにどんな話をしたかな?お金はどうした?どうやって帰った?など不安がいっぱいです。認知障害があるとそれが続くわけですから、大変なことです。

いつも不安な気持ちでいっぱいだということが、よく分かります。軽い物忘れは、ある程度の年齢になれば誰にでも起こる可能性のあるものです。しかし、認知症の人の場合は、日常生活の中で物忘れが頻繁に起こるため混乱します。しかも、物忘れの自覚がないのに周囲から指摘されると不愉快になってきてさらに混乱を増幅することになるのです。

また、鍋を焦がす、同じものを何度も買ってしまう、人と約束したこと自体を忘れてしまう、といったような行動面での失敗が目立つようになります。不安で落ち着かない状態のときに、家族や周りの人から「また鍋を焦がしたの?」とか「また同じものを買ってきたの!」、「何度も言ってるのに、どうしてわかんないの?」、「えーっ、あれだけ言ったのに、忘れちゃったの?」とののしられると、どうですか?もっとイライラしてしまいますよね。そうなのです。それが認知症の人の問題行動につながることになるのです。

問題行動といわれる多くは、認知症の人の不安な気持ちが理解されずに、責め立てられたりすることがきっかけで起こるのです。当たり前といえば当たり前ですよね。自分が不安でいるのにそれが分かってもらえず、ただ怒られるばかりでは、それこそ当人は頭にきてしまいます。失敗体験が積み重なり、周囲からの理解も得られなければ、仕事や生活全体に自信を失うことになります。

さらに病気が進行すると、出来ないことが増えてきて、火を使わせては危ないからといって料理をさせないとか、忘れるからと言って留守番も任せられない、買い物にも一人で出かけることは止められるなど、多くの行動が制限されるようにもなります。そうなるとストレスがたまり怒鳴ったり、暴れたりすることになってしまうのです。認知症という病気をまわりにいる人が理解することが重要です。そのためには、認知症がどういうものがどういうものかを、みんなが知っていなければなりません。ありとあらゆる機会を通して、だれもが認知症の知識を深めることが必要です。