認知症のいろいろ その2

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アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症に続いているのが、レビー小体型認知症。これは認知症の約15%~20%を占める病気で、脳の中全体にレビー小体という神経細胞にできる特殊なたんぱく質の増加が原因となります。パーキンソン病も同じレビー小体が貯まります。

ですから、パーキンソン病と間違われることがあるほど、似た症状が出てきます。手が震える、動作が鈍くなる、筋肉がこわばる、身体のバランスを取ることが難しくなるなどのほかに、歩行障害の症状が先に出てくることがあります。レビー小体型認知症の症状の特徴は、幻覚や妄想などの症状がみられることです。認知症というと、物忘れが激しいというイメージを持ってしまいますが、レビー小体型認知症では、初期の段階で物忘れよりも、本格的な幻視が見られる場合が多くあります。

幻視は「虫や蛇などが部屋にいる」「知らない人がいる」「遠くにいるはずの子供が帰ってきている」などかなり具体的です。だれかの顔や姿がはっきりと見えるなどと訴え、いるという場所に向かって話しかけていることもあります。また、誤認妄想というものも、レビー小体では見られやすくなります。まだ働いていると思ったり、まだ自分は若くて子供も小さいと思っていたりします。家族の顔が分からなくなり、家族が知らない人と入れ替わっていると訴える場合もあります。

次に特徴的な認知症は、前頭側頭型認知症です。これは、脳の前頭葉と側頭葉が委縮し、血流が低下することによって、さまざまな症状が出てくる病気です。他の認知症と違い、指定難病に認定されています。前頭葉と側頭葉は脳の4割を占める重要な器官です。前頭葉は思考や感情の表現、判断コントロールするため、人格や理性的な行動、社会性に大きく関わります。

一方側頭葉は、言葉の理解、聴覚、味覚のほか、記憶や感情をつかさどります。どちらも大変重要な働きを担っているので、機能低下による影響は甚大なことです。初期には、物忘れや失語はあまり見られず、人格の変化や非常識な行動などが目立ちます。

そのため、精神疾患と診断されてしまう場合があり、鑑別診断が重要ということになります。10年前後で寝たきり状態になるといわれ、筋萎縮や筋力低下がある場合は、その進行がさらに早いとされています。非常識な行動として万引きがあります。同じ行動を繰り返す「常同行動」も特徴の一つで、毎日同じ時間に同じコースを歩きながら、決まった店で何かを持ってくるということがあります。まだ物忘れはないため、家に戻れないということはありません。気がついたら盆栽がたくさん集まっていたという話も聞きます。これらは犯罪につながるということから家族はとても苦しみます。