認知症のいろいろ その1

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まず、代表的な認知症について説明します。最も多いのがアルツハイマー型認知症。全体の約6割と、半数以上を占めています。一般的には高齢者に多い病気ですが、年齢が若くても発症することがあります。これは脳にアミロイドという特殊なたんぱく質が貯まって、脳細胞を障害するタイプです。

初期には計算力などが落ちることなく、また、ある場面での判断力は保たれていることが多いので、忘れていることを指摘されても、うまく取りつくろってごまかそうとすることの多いのが特徴です。だから、周囲の人は本人が認知症だとまったく気づかないのです。高齢者の物忘れは、つい認知症を疑いがちですが、後から思い出せるような物忘れであれば老化現象と考えられます。「約束自体を忘れる」「食事したこと覚えていない」そのほかにも「日付や曜日がわからなくなる」「失敗を繰り返しいいわけをする」「同じことを何度も言う」などが初期症状としてあります。進行を抑制するためにも、年だからと目をつぶるのではなく、兆候に気づいたら早めに受診しましょう。

つぎが脳血管型、約20%~30%を占め、アルツハイマー型認知症合併するものも多いといわれています。これは、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳の血管の病気によって、脳の血管が詰まったり出血したりして、脳の細胞に酸素や栄養が送られなくなるため、細胞が壊れてしまい、細胞が担っていた機能を失うことで認知症が起こってきます。血管の病気を引き起こす原因は動脈硬化です。

動脈硬化があると大きな病気をしなくても、脳血管の血流が低下して小さな脳梗塞ができ、それが積もり積もって脳の働きが低下させていきます。動脈硬化の危険因子として、高血圧、糖尿病、心疾患 、脂質異常症、喫煙などがあります。これらから、脳血管性認知症は生活習慣によってひきおこされるともいえるでしょう。

脳梗塞や脳出血などの脳血管障害を起こした後は、認知症状は急激に出現し、よくなったり悪くなったりを繰り返しながら進行します。この認知症は脳の血流の程度で症状が変化することが多く、それを「まだら症状」といいます。脳梗塞や出血によって細胞が壊された部分だけ機能低下し、物忘れしたり計算ができなくても、判断力やその人がいままで培ってきた専門知識などは維持されていることがあります。

正常な部位の能力は機能しているからです。このように障害される能力と残っている能力がある状態を「まだら認知症」ともいいます。意欲がなくボーっとしていて何もできずに抑うつ状態が見られるときがあると思えば、意識もはっきりしていてできないと思っていたことができる時もあります。つまりいい時と悪い時があるのです。このような状態が一日の中でも変化します。