食事介助 その5≪口腔ケアの方法≫

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口腔ケアとは単に口腔内の清掃をして、虫歯や歯周病を予防することではありません。口が行っているすべての機能(食べる・しゃべる・見た目)を維持、向上させるためのケアになります。口の中は37度前後に保たれ、常に栄養分が豊富で水分で潤っているので、微生物にとっては最高の住みかとなっていることから、「お口は病気の入り口」ともいわれます。

●安全な口腔ケアのために

身体を低くして、顎を引く姿勢にして、目線を合わせて顎を引いてもらいながらケアします。顎を引き気味にすると口の中に水分を貯めていられるので、咽頭に入り込んでも誤嚥しにくくなります。立って介助すると、上からのぞきこむようになり、顎が上がってしまうので注意しましょう。

●口の中のマヒの見方

うつむき加減な姿勢になると、口角の一方から唾液が漏れていることがあり、マヒ側によだれが出てきます。舌をまっすぐ出そうとしても、片側に曲がってしまい、舌の先はマヒ側にかたよります。また、口を左右に引き「イー」の形をするとマヒ側の動きが悪いのがわかります。

●口の中のマヒの問題点

マヒ側に食べ物が残っていてもわかりにくかったり、動きが悪いため汚れが停滞し、マヒ側は非常に汚れやすくなります。マヒ側は歯ブラシなどが触れている感じがないため、ケアが上手くいかないことがあります。口腔ケアを行うときはマヒの有無も確認しておきましょう。

●義歯のケア

義歯洗浄剤への過信は禁物です。義歯や歯に付着している汚れは「バイオフィルム」とよばれる微生物などの塊です。水を流したり薬品に浸けただけではなかなか落とせません。義歯を外して歯ブラシなどでしっかりこすり洗いをしてください。歯磨き粉などは必要ありません。

●部分入れ歯の入れ方、外し方

部分入れ歯は両手で平行に入れるのが基本ですが、残っている歯の方向によっては、片側ずつ入れなければならないときがあります。この場合、外すときは反対側のクラスプ(バネ)から外していきます。口の中に入れてからかんで入れている人もいますが、自分の歯ばかりでなく、入れ歯を壊してしまう原因にもなります。夜間、就寝時は入れ歯を外すのが基本です。寝る前に入れ歯を外すことは、入れ歯を洗う習慣ができることと、入れ歯と接する粘膜を休めることになります。