口腔ケアのススメ・・・22 Q:フッ素はどうして歯にいいのですか?

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Q:フッ素はどうして歯にいいのですか?

A:私たちの歯は、毎日脱灰と再石灰化を繰り返しています。食事やおやつでお口の中の酸性度が高まると、歯からカルシウムなどのミネラルが溶け出し(脱灰)ますが、通常は唾液の作用により溶け出したミネラルが再び歯に沈着する再石灰化が起こります。ところが、食事の回数が多かったり、だらだら食べているなどで長時間酸性状態が続くと、再石灰化が間に合わず脱灰が進んでしまい、むし歯になってしまいます。フッ素は、初期のむし歯の自然修復(再石灰化)を促進したり、歯垢の中で作られる酸の量を抑える働きがあります。さらに長時間使用し続けることによってフッ素が歯に作用し、酸に溶けにくい強い歯にしてくれる効果があります。

また、フッ素は細菌が砂糖から粘着物質(多糖体)を作るのを、ある程度妨害します。虫歯は歯垢(歯の周りに付着している細菌のかたまり)という攻撃因子と、これに対する歯との関係から成り立ちますが、フッ素が有効に作用するのは主に歯のほうで、むし歯に対する防衛力をある程度増強させるものです。したがって、フッ素だけではむし歯は防ぎきれません。むし歯を抑制するには、何よりも攻撃側の歯垢に対する対策を考えることが第一です。フッ素だけに頼ってもむし歯は完全に防げませんので、フッ素の有効性を取り入れて、さらに歯垢をきちんと取り除く正しい歯磨きをしていくことが大切です。

Q:根の治療はなぜ回数がかかる?

A:虫歯が進行して神経に侵入すると、神経が菌に感染して歯髄炎を起こします。さらに進行すると神経は、壊死して化膿し根の先に膿がたまり腫れたりします。このような状態になると根管治療をすることになります。根管治療は、専用の器具を用いて神経を取り除いたり、腐敗した神経や感染した根管の中の物をきれいにします。薬液で洗浄と薬を根管に入れて、いわゆる消毒を何回もすることになります。根管は、とても細く側枝というものがあり、複雑な形状をしています。その形は目でみえないので、レントゲン写真を参考にして、手さぐりで治療します。炎症が大きく膿がたくさんある場合は、徹底した感染除去の根管拡大と薬の貼薬を膿がなくなるまで行います。根管治療を回数かけて行うことは、歯の保存に関してはとても大切は治療です。再発しないようにするためにも回数をかける必要があります。

最近は、手用器具からニッケルチタンファイルによる根管拡大器が開発されて、よりスピーディーに治療できるので、昔ほど回数がかからなくなっています。また、マイクロスコープの導入で、見えなかった根管内部も見えるようになり、精密な根管治療ができるようになりました。器具や薬剤の進歩で回数は確実に減っていますので、治療を中断して放置したりしてかえって治療回数を増やしたり、保存できる歯が抜歯にならないようにしましょう。