Q:噛む習慣をつける方法は何かありますか?
A:よく噛むと、唾液の量が増え、虫歯や歯周病予防になることや、丈夫なあごを作るなど、さまざまな効能があります。あごが未発達の場合、歯並びが悪くなり、運動能力が低下してしまいます。現代人は、食事時間が減り、柔らかい食べ物を好む傾向があることから、噛む回数が激減しています。
よく噛むための一つ目の工夫は、根菜類、キノコ、海藻類等、食物繊維の多い食材や、イカやたこなど弾力性のある食材を選ぶことです。また、ナッツ類は噛み砕くのに力がいるので、料理のトッピングにお勧めです。キャベツやブロッコリーの芯をスープ等に入れたりして料理に使うと無駄になりません。
2つ目は、切り方の工夫です。小さく切るより大きく切ることや、薄く切るより厚く切ることで歯ごたえが出ます。ニンジンやキュウリなどをスティック状に切ったサラダもお勧めです。
3つ目は、調理時の工夫です。柔らかく煮るよりも硬めにゆでると歯ごたえが出ますし、強火で手早く炒めることでシャキシャキ感が出ます。また、食パンを焼くことや切り干し大根、スルメなどの乾物を活用し、水分量を少なくすることも効果的です。
日々の食事の工夫で、よく噛む習慣を身に付け、いつまでも自分の歯で食べ続けられるといいですね。
Q:歯磨きは何時したらいいですか?
A:以前は、は、333運動として、一日3回3分以内に3分間ということが定着していました。知らない人もいると思いますが・・・。これは終戦後、むし歯が多発したころ歯磨きの習慣をつけるための運動でした。しかし最近は、歯磨きの時期に対しての考え方が変わり、寝る前と朝起きてすぐに磨くことが大事で、食後はすぐに磨かないで、酸性化した口の中を中和させる、ペーハー(pH)コントロールをすれば良いということになりました。
寝ている間は唾液の分泌は減り、口の中は細菌が増殖して、朝には大便10gと同じくらいの菌でいっぱいといわれています。うがいぐらいでは、その細菌は除去できなくて、コップ1杯の水を飲んでも虫歯菌、歯周病菌、口臭の元の菌は消えません。そして、朝ごはんと一緒に細菌は体の中に入ってしまいます。
ちなみに朝、口の中にいる細菌は、タンパク分解酵素(プロテアーゼ)をたくさん出していて、インフルエンザ・ウィルスが口の中で、プロテアーゼと出会うと、ウィルスの表面が感染しやすくなる仕組みにもなっています。
風邪やインフルエンザにかからないために、口の中の細菌(タンパク分解酵素)を飲み込まずに、起きてすぐ歯磨きをして口の中のタンパク分解酵素を減らしておくことが大事になります。高齢者は肺炎の予防にもなりますし、食事の前に、よく噛むためのウォーミングアップにもなります。