かつては、子どもや家族が行うものとされていた親の介護ですが、高齢化が進むにつれ、介護を必要とする高齢者の増加や核家族化の進行、介護による離職が社会問題となりました。こうした中、家族の負担を軽減し、介護を社会全体で支えることを目的に、2000年に創設されたものが介護保険制度です。40歳以上の人から保険料を負担してもらい、40歳から64歳までの一部の人(老化が原因となる疾病)と65歳以上の人(すべての病気が対象)が受けられるサービスです。
介護サービスを利用するまでの流れ
ご自身やご家族に介護が必要になった場合、介護サービスを利用するには要介護(要支援)認定を受けることが必要です。具体的な流れは以下のようになります。
①要介護認定の申請
介護サービスを希望する人は市区町村の窓口で「要介護(要支援)認定」の申請をします。地域包括支援センターなどで手続きの代行をしている場合もあります。
②要介護認定の調査、判定
・認定調査・主治医意見書
市区町村の職員などの認定調査員がご自宅を訪問し、心身の状況について本人やご家族から聞き取りなどの調査を行います。また、市区町村から、直接主治医(かかりつけ医)に医学的見地から心身の状況について意見書を作成してもらいます。
・介護認定審査会での審査・判定
認定調査と主治医意見書をもとに、保健・医療・福祉の学識経験者による「介護認定審査会」で審査し、どのくらいの介護が必要か判定します。要介護度は要介護1~5または要支援1、2のいずれかとなります。
③認定結果が通知されます。
原則として30日以内に、市区町村から認定結果が通知されます。
④介護サービス計画書(ケアプラン)の作成
要介護1~5と認定された人は、在宅で介護サービスを利用する場合、居宅支援事業者と契約し、その事業者のケアマネジャーに依頼して、利用するサービスを決め、介護サービス計画(ケアプラン)を作成してもらいます。施設入所を希望する場合は、希望する施設へ直接申し込みます。
⑤介護サービス利用開始
サービス事業者に「介護保険被保険者証」と「介護保険負担割合証」を提示して、ケアプランに基づいた居宅サービスや施設サービスを利用できます。