①靴のおしゃれがトラブルを招く
足は、その小さな面積で全体重を支えながら、立つ、歩く、走る、といったさまざまな動作によって酷使されています。しかも、心臓から遠い位置にあるため、血行も悪くなりがちです。何らかの原因で足のアーチが崩れると、骨格だけでなく、爪や皮膚などにもさまざまなトラブルが出てきます。これらのトラブルは男性にも生じますが、女性は男性以上にトラブルを起こしやすい条件を抱えています。
そのひとつとして挙げられるのは、ヒールの高い靴を履く機会が多いことです。ハイヒールはスタイルをよく見せる道具のひとつです。足が小さく、細く、長く見え、ヒップの位置が高くなって身長もスラリと高く見せられます。
しかし、ハイヒールを履くと、足は靴の中で前方へとずれていきます。直立した姿勢でも、体重が足の横アーチを圧迫します。歩く動作では、かかとから着地して小指の付け根、さらに親指の付け根へと重心を移すという本来の動きを取ることができません。かかとで着地すると、そのままつま先に重心を移すことになり、縦アーチも横アーチもその機能を発揮できません。足底が斜面の状態で歩くことになります。ヒールで歩く姿はかっこよく見えますが、足そのものはつま先に重心を移すたびに悲鳴を上げています。疲れやすくなることはもちろんですが、そのうちに足の裏、足首、ひざ、そして腰の方まで痛くなり、すり足になってしまいます。
足のトラブルとしては、横アーチが圧迫されて開張足になりやすく、外反母趾や内反小趾へと進んでいきます。巻き爪や陥入爪にもなりやすく、体重のかかる部分の足の裏には、マメ・タコ・ウオノメができやすくなります。
②外反母趾、きつい下着で水虫が悪化
女性の足は水虫の原因となる白癬菌にとって過ごしやすい環境です。白癬菌は油断するとさまざまなところで感染します。足に密着したストッキングを長時間着用している女性の足は、高温多湿で白癬菌にとって絶好のすみかなのです。開張足、外反母趾、内反小趾が進むと、指同の間隔が狭くなり白癬菌のエサが増え、いっそう増殖しやすくなります。そのうえ、きつい下着で体を締めつけると、血行不良となり治療効果が表れにくくなり、トラブルを助長することになります。