私たちの生活は「歩く」ことが基本になっており、歩けるか歩けないかで生活の質が大きく変わってしまいます。見た目の美しさだけではなく、健康な生活を続けるためにもフットケアは大切です。
こんなにある足のトラブル
①骨の異常
足は骨と筋肉 、靭帯によって弓なりのアーチを構成しています。アーチが崩れると、次のような骨の異常を招きます。
・開張足:足の指が横に開いて広がり、足幅が平たく広くなった状態。
・外反母趾:足の親指が小指側に曲がり、付け根の骨が外側に飛び出た状態。
・内反小指:足の小指が親指側に向かって、内側に曲がった状態。
・ハンマートゥ:親指以外の指が屈曲し、つま先がハンマーのような形に見える。
②爪の異常
爪は指先を保護するとともに、地面からの重力を受けとめて体を支える役割があります。爪に異常があると踏みしめる動作がしにくく、バランスを崩しやすくなります。
・巻き爪:爪が巻いている状態。
・陥入爪:爪の角が指の皮膚に食い込み痛む。
・二枚爪:爪の先端部分や表層部分が剝がれて、いくつかの層になっている。
・爪水虫:爪に白癬菌入り込み、白く厚くなっている状態。
③皮膚の異常
マメ・タコ・ウオノメは、女性に多い足の皮膚の異常です。手のようには手入れが行き届かず、かかとやつま先が乾燥してガサガサになり、ひび割れることもあります。男性に多いと思われがちな水虫は、若い女性にも多い病気です。
健康な足はどんな足?
①トラブルの元凶は足の変形
外反母趾、巻き爪、かかとのガサガサ、水虫など足のトラブルはさまざまですが、そのほとんどがお互いに関連しています。足のトラブルを抱えている人は、大なり小なり足の変形がみられます。この変形こそが足のトラブルの元凶と言えましょう。この変形をただしていくとトラブルの多くが改善されていきます。
②健康な足には3つのアーチがある。
人間の足は、同じ哺乳類でも四足歩行をしている動物の足とは、異なる構造をしています。人間の足は28個の骨からできています。それぞれ繊維状の靭帯によって弓なりに連結され、筋肉で支えられて、全体で3つのアーチを形成しています。一つ目のアーチは、親指の付け根からかかとを結ぶ内側の縦ラインで、土踏まずを形成している。二つ目のアーチは、小指の付け根からかかとまでを結ぶ外側の縦アーチです。三つ目のアーチは、親指の付け根から小指の付け根を結ぶ横のアーチです。
③からだの重みを支える3つの支点
立ったときの体の重みは、太い踵骨のあるかかとと、親指のつけ根、小指のつけ根の3点で支えられています。
歩くときには、重心がかかとから足の外側へと動いて、小指(第5指)のほうへと進みます。その後、小指から人差し指(第2指)までの4本の指が、しっかり床をつかむように曲がって地面を踏みしめ、親指が床を押さえつけて足を安定させ、次のけりだしを助けます。弾力に富んだ3つのアーチは、この一連の動きの中で、その都度体重に耐え、地面からの衝撃を吸収しながら、なめらかな歩行を助けているのです。
④アーチの崩れで開張足から外反母趾に
ヒールが高く、つま先の細い靴を長時間履いていると、体重の負担が前方の指と横アーチにかかり、アーチがつぶされてしまいます。
⑤マメ、タコ、巻き爪も足の変形が原因
アーチが崩れると、同じ場所がつねに圧迫されているため、マメ、タコができやすくなり、上下からの過剰な圧迫により巻き爪になることもあります。
⑥きれいなアーチで健康づくり
適切なケアを続けることで、運動不足や血行不良など、さまざまな危険因子を取り除くことができます。トラブルのない足は、心の健康にも役立ちます。